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2020/06/19 09:25

2011年12月1日。
大切な出会いがありました。

その頃の私は、化学物質過敏症を発症していたものの、数々の病院を訪れても原因も病名もわからず、ただひたすら鍼治療を受けていました。

その日、珍しく体調がよかったので、久しぶりに会社に出ました。
すると来客が。

「オーガニックコットンの父」「糸の魔術師」と呼ばれる近藤健一さんとの出会いでした。

近藤さんはクラボウ、大正紡績といった紡績会社で300種類以上の糸を作り出した技術者です。


前日、私は不思議な夢をみていました。
大きな象が、会社の玄関に来る夢でした。

なぜかはっきり覚えていて、その象と同じ色のジャケットを近藤さんが着ていらしたので、思わずその話をすると、

「それ、僕だよ。僕、象さん大好きなんだよ。」

と茶目っ気のある笑顔でおっしゃいました。

当時の私は、アトピーで長年使っていたステロイドが使えなくなり、止めた副作用で顔も首も皮膚がゴワゴワ。
今でもまだ皮膚は黒ずんでいますが、今以上に黒ずみ、紫色の肌でした。

なかなか着られるものがない、という私の話を聞いた近藤さんは、自分が首に巻いていたストールを外し

「これ、してごらん。オーガニックコットンのストール。これは大丈夫だよ。」

と私にくださいました。

それは「ダッカの霧」と呼ばれる、極細のオーガニックコットン糸で作られたストールでした。


(つづきます)